絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
あたしたちから見れば公恵の本性を知らないキンギョのフンだ。


「大森さん、なんでここに?」


一歩前へ出てそう聞くと、大森さんは大きな体を最小限に小さくして申し訳なさそうな表情を浮かべた。


「全校集会……サボろうと思って……」


いつも賑やかな大森さんが、なんだかとてもおしとやかだ。


さっきまで殺すだの死ぬだのという物騒な会話をしていたことを、聞かれてしまったかもしれない。


「それはいけないな。キミはA組だろう? 絶対に参加してもらわないと」


男がそう言うと、大森さんはすぐに視線をそらせた。


「……さっきの話って……」


「あぁ、バトルの話を聞いていたのか。仕方ないな、ここで殺しておくか」


男は予想外の犠牲者にため息を吐き出し、何か箱のようなものを取り出した。


それを見た瞬間、大森さんが青ざめる。


本能的に危ないものだと感じているのかもしれない。
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