絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
「誰にも言わない!!」


大森さんはそう声を上げていた。


あたしは驚いて大森さんを見つめる。


「あたし知ってるの。お父さんが校長と仲がいいから、<mother>が提供するゲームは命を奪うんだって……」


大森さんの声はどんどん小さくなっていく。


青ざめていて、今にも倒れ込んでしまいそうだ。


「へぇ、そうだったのか」


「……あたしは、死ぬ運命なんですね?」


「話を聞いていたなら、その通りの運命になる」


男の言葉に大森さんは肩の力を抜いた。


なぜだかホッとしたような表情を浮かべている。


「よかった……」


「よかった?」


男が聞き返す。


「田之上君も、<mother>のゲームで死んだんでしょ?」


大森さんの言葉にあたしは目を見開いた。


「校長から聞いたのか? あの放送を見て一番喜んでいたからな」


男はため息交じりにそう言った。


「どういう事? 田之上君は引っ越しをしたんでしょう?」


会話に割って入ってそう聞くと、男は左右に首を振った。


「田之上翔吾と世田朱里。この2人は奴隷部屋というゲームに強制参加して、田之上翔吾は世田朱里を守って自らの命を絶ったんだ。それは美しい最期だったぞ」


男はそう言い、なつかしむように目を細めた。
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