絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
☆☆☆

あたしを含めて何人か生徒たちは昼食を食べていた。


2年A組の生徒たちはほとんど何も食べず、肉を選んでガツガツと頬張るあたしを見て怪訝そうな表情をされてしまった。


「よく食べられるね……」


彩美が呆れたような声でそう言った。


「彩美も少しは食べておいた方がいいよ。食事が定期的に出されるかどうかもわからないんだから」


あたしはそう言い、彩美にパンを差し出した。


「あたしはいらない」


一旦そう言ったものの、やはり気になったのか無言であたしの手からパンを取った。


「お前らすげぇな、その食べ物に毒が入ってるかもしれねぇのに」


そう声をかけて来たのはクラスメートの三神マキヤだった。


スラリと背が高くて、クラスでは一番のイケメンだ。


「入ってないって思ったから」


あたしは素直にそう答えた。


「なんでそんな事言いきれるんだよ」


「これからバトルをさせる人間を無暗に殺したりなんかしないでしょ? これが奴らの娯楽ならなおさら、ジワジワ殺して楽しむと思って」


そう言うと、三神君はしかめっ面をした。


「お前な、もう少しいい考え方はできねぇのかよ」


「いい考え方?」


「そうだよ。みんなで逃げる方法とかさ」


みんなで逃げる方法?
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