絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
三神君はまだそんな事を言っているのか。


聞いていて呆れてしまう。


今はいかに自分が生き残るかを考えていたのに。


「無理だよ。脱出しようとした生徒たちはみんな殺された」


そう言うと、三神君は更に表情を歪めた。


「そうだけど……俺は、お前と2人で逃げられたらって、思って……」


その言葉にあたしは口の中にあった肉の塊をゴクリと飲み込んだ。


あたしと2人で逃げる……?


それは優也さんがあたしと一緒に脱出しようと言って来たことと同じだった。


三神君が本当に、純粋にそう思ってくれているとしても……。


「……無理だよ」


あたしは冷たくそう返事をしたのだった。
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