イマカレモトカレ 永遠の愛は?


「あっ!楓
迎えに行くからちょい来てくれる?」
と電話を切りあたしには
「待ってろよ」
と言い残し居なくなった。



その時あたしは帰ればよかったのに
浮気とか信じられなくて
動こうにも身体が言うことを
利いてくれなくて動けず状態。


もしかしたら あたしが見知らぬうちに
貴弘を怒らせてて
『アハハ冗談だよばーか!』
なんて嫌がらせされてるのかな?
なんて勝手に思い込んでたり・・・。


待つこと20分くらいで
貴弘が帰って来た。


一人でなく女を連れて・・・。


「こいつがオレの惚れた女
中村楓」


・・・オレの惚れた女・・・


紹介された人は想像以上に可愛いく
見るからにお嬢さんタイプ。


貴弘の一歩後ろで
貴弘の服の裾を持っていた。


仕種といい
顔といい
スタイルといい
あたしは負けた・・・完敗。


「ついでにこいつのこのお腹には
オレと楓の愛の結晶がいるんだ
なぁ~楓」


と楓さんのお腹をポンポンと叩いて
優しい笑みを溢した。


「なんで・・・?
なんでなの?」


「楓も何か言ってやれ」


「ここできっぱり貴弘のことを諦めて!
貴弘はあたしと結婚するの!
貴弘の奥さんはあなたじゃなくて
このあたしだから」


可愛い顔をして
言うことはかなりキツい。


「・・・わかった」
あたしはそう言うしかなかった。


あたしは合鍵を貴弘に目掛けて
投げて「こんな裏切り方をされるとは
思ってなかった!信じてたのに!」
と・・・言ったけれど
二人の前では泣かなかった。


負けを認めたくなかったから。


「あたしの私物は
全部捨てていいから」


と貴弘のアパートを出て
大雨の降りしきる中
ずぶ濡れになりながら
やっとの思いで家に帰った。


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