イマカレモトカレ 永遠の愛は?


「家で待ってる人がいるでしょ」


「へぇ~気にしてくれてるの?」


「当たり前っ!」


言いたくないけどあんなかわいい奥さんが
待っているのに・・・。


「接待だから遅くなるって言ってる」


「接待?」


「そう!乃愛に接待
だから 飯食いに行こう」


「もぉ~」


口では『もぉ~』とか言ってるくせに
内心は喜んでる自分が居る。


そんなとき和典さんから電話がかかってきた。


「もしもし」


「どのくらいで終わりそう?」


「今から食事に行こうって誘われたから
今日無理かも」


「印鑑押すだけじゃなかったの?」


「そうだけど・・・まぁ」


「何それ!それで?業者の人って男?」


「あ・・うん」


「はぁ?訳わかんないんだけど?
平気なわけ?」


「相手結婚してるし二人きりじゃないし」


安心させるための嘘をついた。


「終わったら必ず電話して!」


「わかった」


言わなきゃよかったか・・・
嘘でも女の人と言えばよかったか・・・
と電話を切って後悔。


「嘘つき・・・」


ルームミラー越しに見られてニヤッとされる。


「何が?」


「オレの事だろ?
結婚してるしだとか言ってたの
それに2人きりですけど?
どうしてホントの事言わないわけ?
そんな彼氏?」


「いいの!黙ってて」


「はいはい解かりました
行きますかね」


5年ぶりに再会したのは数時間前
こんな普通に話せてるなんて
当時のあの日では考えられない。


これも月日の流れと言うものなのか・・・。



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