恋の処方箋SOS
「そこまでにしてください近所迷惑です
僕が話しをきいてあげていただけです」
白石先生が目の前に立って庇ってくれていた
「白石先生?」
「またおまえか」
「彼女はあなたのことと仕事の重圧で押し潰されそうですだから誰かが話を聞いてあげないといけないでしょ?」
龍太郎はなにも言わないで車に乗るとタバコをつけた
「早く乗れ」
「さあ行って」
私は内心びくつきながら助手席に座るとシートベルトも締めるのもまたずにはしりだした
「キスしたのか?」
私はなにも言わないで外を眺めていた、まるで罰が悪い子供のように
2本目のタバコに火をつけた途端に車が急に曲がり細い林道にはいっていく
「ちょっと龍太郎」
「言えよじゃねぇとぶつかるかもな」
龍太郎、普通じゃない、しかもこの車だって外車なわけだから
「車」
「車?たかだか500万だ」
「たかだかって額じゃないよそれ」
「そういやさっきフロントガラス叩き割ったな」
あの音は龍太郎のレンジローバーのフロントガラスの音だったんだ
「龍太郎」
車はどんどん人気のないところに向かって進んでいてやがて停まったのは周りを林に囲まれた開けた場所
「降りろ」
「えっ?」
「じゃあな」
私を降ろして車は行ってしまい私はあっけらかんと立ち竦んだ
携帯はバッテリーがきれていて使えないしなにより寒い
無茶苦茶にはしっていたから道すらわからない
下手に動けばなにがあるかわからない
だんだんと泣きたくなってきた
泣いたところでなにも変わりはしないのだが
ため息をついてしゃがみこむ
お腹すいたなぁもうみんなに会えないのかな
しだいに眠くなり光で目を覚ました
白い天井ここはどこ?腕には細い点滴が刺さっていて体は妙にダルかった
辺りを見渡すと1人の白衣の男性が点滴を確認していた
「龍太郎?」
気配でなんとなく龍太郎だと思い声を絞り出した
でも龍太郎?は応えてくれない
私は意地らしく白衣の裾を掴んだ
嘆息の後にどかりとパイプ椅子に座りこんだのは紛れもない龍太郎
私を置いていった張本人
龍太郎はなにも言わない代わりに私の頬を叩いた
「ったくなにやってんだよおまえは」
「龍太郎が置き去りにしたんだよ?」
「おまえが追いかけてくると思って待ってたら戻ってみたら倒れて丸3日寝込みやがって」
「龍太郎そんなに都合よくないよ私は」
私は龍太郎に手を伸ばした
「悪かったな、おまえを縛ってじゃあな」
「龍太郎違うの」
私が龍太郎を苦しめてるんだよ、だから私なんていなくなればいい
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