オフィスの野獣と巻き込まれOL
「いいから、美帆。
何があったのかこの際、全部言って。
俺、どっちみち、堀川課長に会ってくるから」

「山科君、それは止めた方がいいと思う。今、課長の側につくのは、出世的にはどうかと……」

山科君が身を乗り出してきた。

「そんな問題じゃないだろう?
会社がおかしな方向に向かってるのに、
黙っていられないよ。
美帆、そんな状態で、出世も何もないだろう?」

と、外にまで聞こえるような大きな声で言う。

「うう……私だけなら、まだしも。真面目な山科君まで巻き込んじゃうのは」

「あのねぇ、俺のことバカだと思ってるの?」彼は、あきれたように言う。

「いえ」

私なんかより、ずっと頭いいんだから。バカだなんて思てる訳ないじゃん。

「こんな、訳わかんないことに加担できないよ。それで、会社を首になったらそれでもいいさ」何だか、大事になってきた。

私は、山科君の人生まで、背負う訳には行かない。

私は、亜美の方をちらっと見た。

亜美は、山科君のことをじっと見つめてる。
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