オフィスの野獣と巻き込まれOL
実際に義彦君の顔を見るまでは、何を話したらいいのか分からなかった。
義彦君に抱いてる感情を、そのまま全部ぶつけてみようと一度は思った。
けれど、この人に本音をぶつけて何になるの?
義彦君に、今のやりきれない私の感情をぶつけても、どうにもならない。
こうして平謝りするだけで、何も進展しないのだ。
義彦君にしても、あんな行動を取ったのは、会社の為だろう。
私に飽きたのではない。そう思いたい。
というか、そう思うしかない。
銀行家を親に持つ娘と結婚するのも、娘婿になって、銀行から融資を引きだしやすいと考えためだ。
この人の事務処理能力は、信用できないけど。
人当たりだけはいい。
彼だって私と結婚しても、銀行家の娘ほどメリットはない。
私には、何十億というお金を会社のために動かすことは出来ないもの。
専務という立場上、自分の想い通りにならないことの方が多い。
結婚相手だって、そうだろう。
そのことに気が付くと、駄々をこねて彼を困らせても、義彦さんを苦しめるだけだと思った。
それでは、何の解決にもならないのだ。