オフィスの野獣と巻き込まれOL
「山科、頼んだ資料どうなった?」
課長の鋭い声が、横から飛んでくる。
「えっと、自分のIDだとブロックかかって見られないんですけど……」
山科君がキーボードで、作業しながら答える。
今度は、私を挟んで反対側から声が飛んでくる。
「んじゃ、俺のID使え。今、送る」
「はい」
二人とも、私の頭の上を飛び越えてやり取りをしてる。
机を並べているのは管理部の会議室で、私を挟んで、長い机に三人座っている。
ここにきて驚いたのだが。
堀川課長は、自分の机で仕事をせずに、ずっとこの会議室にこもっている。
だから、私たちも会議室で仕事をする事になった。
いじめられて、フロアに座席がもらえなかったのか?
そうではない。
ちゃんと総務から三人の机も割り当てられ、三つ固まって並べられてる。
一応、そっちが私たちの正式な席だ。自分たちの机で仕事をすればいいのに。
その方が、ファイルやコピーをするのにも近いんだけど。
さっき、課長に訴えたけど。
さらっと交わされて、その後は無視された。