オフィスの野獣と巻き込まれOL
堀川課長は、総務からいろいろ言われてもまったく聞く耳持たない。
それがどうしたんですかっていう態度で、上にも臆せずに思い通りに会議室を占領してる。
新しい組織になって以来、いろんなところから電話が来るけど、
「社内からの電話は、ほとんど取り次がなくていいから」
「そんなこと言われても……」
「全部不在と言え。本当に用事があるなら、向こうからやってくるだろう」
「はい」
と言っても、相手は重役とかだよ?
いいのだろうか?
何度聞いても、課長は気にするなと答える。
私もそう言っているうちに、慣れてきた。
この会議室だって、結構広い。
机だってたくさんあるし、座る場所だっていくらでもある。
だから二人とも。
何も、私の両側に座らなくてもいいのに。
何しよう。隅っこで目立たない席なら、内職でも何でもし放題なんだけど。
この場所じゃ何やっても目に入る。
課長は、山科君に山のように仕事を言いつけるくせに、私のことは見向きもしない。
だから言ったのに。
経理の仕事なんて、何にも出来る気がしないって。
さっきもお茶を出したけど、
『のどが乾いたら自分で飲みに行く。こぼすと資料が濡れるから、遠くに置いてくれ』と、冷たく言われたところだ。
山科君は、優しいからその場で、出した麦茶を飲み干してくれたけど。