オフィスの野獣と巻き込まれOL

亜美は、いつもより不機嫌そうに見えた。

それでも私は、亜美に言葉をかける。

「二人は忙しいけど。私はそうでもないよ。山科君すごく頑張ってるからね」

亜美は下を向いて、私の話に乗ってこない。

さすがに、私も焦り始めた。

どうしても、亜美を怒らせたくなかった。

珍しく出来た女友達だったからだ。

「山科君も、酷いよね。
どうせ連絡してないんでしょう?
仕事に夢中になっちゃうと、周りが見えないから」

きっと、亜美にもこれまでのように、連絡してないんだろう。

「美帆、山科君のこと気にしてくれるのは嬉しいけど。それは、私と彼の問題だから」

ほら、自分たちは大丈夫だから、口を出すなと言ってきた。

私は、不安を隠せなくなった。


亜美にそう言われたら、私は何といったらいいのか分からない。

こんなふうに友人関係で、間に男性が入ると、途端に問題が複雑になった。

どうでもいい相手なら、そのままにしておくけど。

亜美は、そう言う友達ではない。

落ち着いて話そう。

ちゃんと話せば、きちんと理解してくれる。

気を取り直して、亜美に話しかける。

「あっ、そう。そうなんだ。
それなら、私が山科君と出張に出かけても、全然、心配しない?」

「出張?」亜美が私をチラッと見る。

「そう。滋賀に行くの。二泊三日。
報告するまでもなかったわね?
亜美ったら、全然気にしない?」

「山科君が美帆といても、私、気になんかならないわ」

「嘘よ。気になってるでしょう。正直に言ってって」

声が大きくなった。亜美に声が大きいと注意される。

「気になんかしてないって。だから、関わらないで」

「放っておけないでしょう?私だって、亜美にいらない誤解与えたくない」
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