オフィスの野獣と巻き込まれOL
「買ったときからって。
工場の棚卸の時、どうしてるの?
どう見てもこんなに大量の部品、ちゃんと損失計上されてないよね?」
山科君がタブレットのデータを確認しながら、声を大きくして言う。
「会計士が立ち会ってるだろう?
どうしてたんだ?」
課長が橋本さんに向かって言う。
「はい……」
「言いにくいなら、言わなくていい。
担当の会計士は誰だ?あとで教えてくれ」
「えっと……それに関しては……」
橋本さんの歯切れが悪くなった。
「大丈夫だ。君の名前を出したりしない。
多分、会計士の目も誤魔化してるんだろう。会計士には、俺から話す。
だから安心して欲しい。
君たちを責めたい訳じゃない。
でも、工場内部の人間、もしくは会計士まで不正に関わっていたら……
その時は容赦しない。
それはわかってるな」