オフィスの野獣と巻き込まれOL
「あなたの家族に比べれば、悪くなかったと思う」

「美帆は、きっといいお母さんになると思う」

「いいお母さん?先に、いい奥さんになると言って欲しいわね」

「ああそっか、そっちが先だな」

「順番は間違えたくないもの」

差し障りのない話題に切り替えるのは、上手になった。

軽く笑みを浮かべて笑うのも、平気になった。

「そうだね」

課長は、微かに口元をゆがめて笑った。

「さあ、課長。Great Buddhaに会いに行きたいんでしょう?」

「ああ。日本に行ったら、是非彼に会いたいと思ってたんだ」

「残念ですけど……
彼は、京都には居ないのよ」

「何だって!
京都まで来たのに、会えないのか?」

本気でがっかりしている。

こういう所は、普段の完璧主義と違って微笑ましい。

困ったな。

好きだという感情が、どんどん押さえられ無くなって、泣きそうになる
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