オフィスの野獣と巻き込まれOL
私の質問に答えようとして、
彼は少し躊躇した。

嫌なことでも思い出すように、
何度も首を振ると、ふうっと大きくため息をついて言った。

「12歳だよ。
小学校を出ると海外に出たんだ」

「お父さんの仕事で?」

「いいや。一人さ。
寮のある学校に入った。

この間、日本に戻ってくるまで、ずっと外国暮らしだったよ。
日本に帰って来たのは、それ以来だった。久しぶりだった」

「じゃあ、修学旅行で京都に来なかったのは、そのせいね」

「修学旅行って?」

「まさか。
修学旅行から説明しなきゃいけないの?」

「休暇は日本に戻らず、ずっと寮にいたからな。

バカンスで、友人の仲のいい家族を見せられるのが苦痛になったんだ」

私は、課長の手を握った。

「大丈夫よ。課長なら友達以上に仲のいい家族を作れるわ。私が保証する」

「君の家族はどうだったんだ?
いや。これは余計なお世話か」

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