オフィスの野獣と巻き込まれOL
「肝心な事って?」

「何もないのに、価値のない工場を大金で買って、わざわざ大損するってあり得ないだろう?」

「うん」

「そんなことするのは、何か理由があるからなんだ。

大きなお金を損したみたいに、帳簿上装う必要があったんだ」

「どうして、
そんなことする必要があったの?」

「なぜか?そこを探らなければならないんだ」

山科君が続ける。

「理由が分からなければ、見通しが甘かったと言って、経理部長が責任を取らされて終わる。

自際に判断した重役たちは、損をするなんて予想できなかった。

そう言い逃れして、無傷で許されてしまうだろう。

そうならないために、今は、二人でそれを探っているところ」

「そう……」

山科君がもう一度、伸びをして天井を眺めた。

「でもなあ。
課長も伝手を使って、海外のファンドに当たってるけど。
正直、どうしたらいいのか分からない。
とっかかりが見つからないんだ」
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