オフィスの野獣と巻き込まれOL
「これ、役に立てて」

私はメモリースティックを取り出すと、山科君に渡した。

「いいのか?」山科君の目が大きく見開いている。

「ええ」

山科君が、本当にいいのか?と、何度も確認するように私の目を見る。

私は、しっかりと頷く。

山科君は、 メモリースティックを受け取ると、

「わかった。美帆、ありがとう。課長を呼んでくる」と言って、部屋を飛び出して行った。



義彦君は、私がそうするのを分かっていたんだ。

こうなってみると、義彦君は私の行動を予測していたような気がする。


私は、ちゃんとそれを分かった上で渡した。

だって、この手で情報を握り潰したらどうなるのだろう?

何もしなければ、この会社は変わることはない。

時間が経てば、状況は今よりも悪くなる。

その分、回復する機会を失う事になる。
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