オフィスの野獣と巻き込まれOL
大勢の人を目の前に、薄いグレーのスーツに濃い色のシャツを着た課長が前に立った。
会場のみんなの好奇の視線にさらされながらも、じっと耐えている。
「ただいま、武子夫人から紹介されました綿貫祐一と申します」
課長は、私の知らない名前を堂々と名乗って、頭を下げた。
「私は一年ほど前、ここに居らっしゃる武子夫人から、会社の内情について相談を受けておりました。
そうして、密かに調査をしてまいりました。
この会社の実情は、決していい状態ではありません。
もちろん、このまま放置するわけには行きません。
ですので、誤った経営を正し、健全な進むべき道に進まなければ、会社の明日はありません。
また、正しい道を行けば、必ず会社は息を吹き返します。
そう思っています。ですから、皆さんも一層の支援をよろしくお願いします」
自信なさげなオドオドした態度は、みじんもなかった。