オフィスの野獣と巻き込まれOL
会場に詰めかけた人に、しっかりと訴えかけ自分の領域に引き込む。
「つきましては、お手元の決裁書をご覧ください。質問があれば何でもお答えします」
新社長の再建計画に、知らないうちに納得させられてる。
新社長に任せておけば、この会社は、大丈夫だと思わせてくれる。
この人は、一人で大丈夫なんだ。
彼は、誰も必要としない。
何でも一人でやり遂げてしまう。
山科君は、課長が生まれ変わったみたいに尊敬の念で見つめている。
ペったりと固められた髪は、見る影もなく綺麗にカットされた髪がふわっとセットされていた。
サイズの合ってなかったスーツは、ブランドものらしき高級品にかわっていた。
どこから見ても、有能なサラリーマンじゃないか。
うちの会社の社長。
「遠いな」
「見にくいなら、前に行く?」
私は、山科君の申し出を断った。
この部屋のどこに行っても、課長に近づくことはできない。