オフィスの野獣と巻き込まれOL
「待てよ。上司の話ぐらい聞いたらどうだ?」
祐一さんが鋭い目で見る。

「今、言ったじゃないですか。
私は、もう部下ではありませんって」

「だから、部下じゃなきゃ何になりたいんだよ?」

「ですから、私があなたの部下だろうと、部下じゃなかろうと関係ないじゃないですか」

「それはどうして?
まさか、義彦のところに戻るからか?」

「そうだと言ったら?」

「そうしたいなら、勝手にすればいい。俺は、行きたいというやつのことは止めない」

「そうですか。はっきりそう言ってもらって、すっきりしました。

これで思い残すことはありません。
お世話になりました」私は、頭を下げる。

「お世話になったって、どういうこと?」

「山科君、亜美はどこ?」
私は、課長を無視して山科君の方を向いた。

「呼んでこようか?」
山科君が戸惑いながら言う。

「ええ」

山科君は、大丈夫だからとジェスチャーで示すと、会議室を出て行った。

綿貫社長と呼ぶのがしっくりこない。

この会社の社長になるのが綿貫の出身者だから、仕方がないにだけれど。

私は、祐一さんに微笑みかける。

「そのお姿、とても素敵ですよ。
でも、私は前のようなダサいスーツの方が好きでしたけど」
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