オフィスの野獣と巻き込まれOL
「なんだよ、それ」

祐一さんは、困ったように軽く頭を振った。

「なんだよって言われても……」

「君って人は、どうして、俺の努力を評価してくれないのかな?」
あきれた顔で言う。

「堀川課長のことは、これ以上ないというほど評価してます」

「それ、上司としてだろう?」

「他に、何を評価して欲しいんですか?」

「そんなの、決まってるだろう?」

祐一さんが、すっと近づいて私の肩をつかんだ。

「セクハラですよ。離してください」

「自分の恋人捕まえて、何が悪い」

「恋人って……
私のこと、まだ恋人だと思ってるんですか?」

「美帆、俺がいつ君と別れるって言った?」

「だって、あなたが社長になるなんて思わなかったもの……」

「お前、彼氏が社長に出世したら、普通、喜ぶだろう。どうして俺を避ける?」

「そんなに単純に、物事を考える訳にはいきません」

「だったら、教えろよ。
俺のどこが気に食わない?
なんであの義彦と逃げるんだ?」

「逃げてなんかいない。荷物を取られて……」

「カバンでも、取られたのか?」

「違う。カバンじゃないの。
部屋の荷物。帰ったら部屋の中が全部なくなってた」

「どういうことだ?ちゃんと聞かせて」祐一さんは、驚いて私に近づいた。

優しく抱き寄せて胸に抱いた。


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