オフィスの野獣と巻き込まれOL
「えっと……私、自分の荷物を」
そうよ。
こんな大変な時に、なんで私が、社長の奥さんになる人との、おのろけ話を聞かなきゃいけないのよ。
さっさと帰ろう。
ただでさえ、大変な状況なのに。
痛い。
もうだめ。
私は、立ち上がるために腰を浮かせた。
足がしびれて、立ち上がれない。
立ち上がる気配に気が付いたのか、祐一さんがこっちを向いた。
「ああ、そうだった。美帆、荷物もうすぐ着くって。
とりあえず、どこか空いてる部屋に突っ込んどくか」
ん?
武子夫人も、祐一さんに向かって言う。
「あんたの隣の部屋にしたら?その方が便利でしょう?」
「そうだね。そうさせてもらうよ」しばらく考えてから、彼が答えた。
武子夫人も、にこやかに応じる。
「ずっと一人だったから。にぎやかな方が主人も喜ぶわ」