オフィスの野獣と巻き込まれOL
祐一さんと向き合った。

困ったような顔をしている。

彼の将来は前途洋々で、若き経営者として経済界でも注目された。

どこに行っても、綿貫を立て直した経営者として重宝されるだろう。

彼に近づきたいという女性だけでなく、彼のことを仲間に引き入れたいという大会社の経営者一族も彼と自分の娘を引き合わせたいと思うだろう。

いずれ彼は、そういう女性と結婚する。彼の父親がそうしたように。

好きだっていうだけでは、どうにもならない世界なのだ。


私は、結局、義彦君と付き合った時と同じ目に合うのだ。

淑子ママと、祐一さんの父親の関係のように。

何度も考えたけど。そういうのは絶対に嫌だ。

淑子ママがどれだけ寂しい思いをしたか。

綿貫前社長と同じ年代の人にあれだけ尽くしたのは、仕事だからっていうだけじゃない。

若い子を自分の子供のように可愛がったのも、ただ若い子が好きだったからじゃない。

店の仕事を終えて、一人っきりになった時の、ママの寂しそうな背中が忘れられない。
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