オフィスの野獣と巻き込まれOL
「まさか。それ、私のことですか?」

二人は、お互いの顔を見て笑った。

武子さんが説明してくれる。

「美帆さんのことはね、よっちゃんから聞いたのよ。うちの店にいた子でいい子がいるの。
今は、綿貫で働いてるのよって教えてもらって」

「いいえ、最初に美帆ちゃんの話をしたのは、もっと前よ。

義彦君が、美帆ちゃんを綿貫の入社試験を受けるように誘ったと聞いて、すぐに武ちゃんに頼んだ時よ。
武ちゃん、そのこと覚えてない?
義彦君の推薦じゃ、一般に受けたより信用されないから、武ちゃん助けてって」

「そうだったわね。うふふ」

私が入社できたのは、武子夫人のおかげだったのか。

だったら、感謝すべきは、武子夫人ではないか

「思ってただけじゃないわよ。
どうしたら、こんなふうになるかしらって、二人でここでよく相談してたわ」淑子ママが懐かしそうに言う。

「ん?」こんなふうにとは?

「そうね。祐一さんにも帰ってきてもらわないといけないし」

何やら、二人のペースで話が進んでいる。

仲良しの女の子の間に入って行くという、私の苦手とするパターンだ。

「祐一さん、アメリカから戻らないつもりだったんですか?」

「そうなのよ。アメリカに行ったまま、戻ってこなくなっちゃったら困るものねえ」

「ねえ」武子夫人が相づちを打ってる。

それで?

こうなったらって、なに?



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