オフィスの野獣と巻き込まれOL
私は、彼のことはそれなりに知っている。彼を誘うにあたって前もって調べたからだけど。
これまで仕事でも接点はないし、彼が私と知りあう機会はなかった。
だから彼の方は、私の事を知らないはずだ。
同じ会社で働いてるから、顔ぐらいは知ってる可能性あるし。
廊下ですれ違った事があるとか。エレベーターに乗り合わせたとか。
面識があるかも知れないと言っても、せいぜいその程度だけど。
私は、彼にこう言って食事に誘った。
『ディナー券があるの。一緒に食事でも、いかがですか?』
彼は、しばらく私の顔を見てた。それはそうだろう。
いきなり声をかけられて食事に行きませんか?だなんて。普通の知能があったら、断るはずだ。
けれど、彼はあっさり承諾した。
『いいですよ』と、二つ返事でOKした。
堀川祐一は、理由も聞かずに誘いに乗って来た。
見知らぬ女からいきなり誘われて、この手の慎重な男性がすぐに誘いに乗るだろうか?
その点は、確かに疑問が残った。