可愛い人。


急いで正門を出て駅に向かう道を全力疾走する。



なんだったの今の!!?



何が起きたの!!?



山崎くんはなんで??!



どういうことなの?!




自分でも理解不能な疑問文が脳内を駆け巡る!



体力の限界がきてやっと立ち止まっても、さっきのキスが現実として受け止められずにいた!




身体中が物凄く熱い……!!



それにさっきの感触がまだ残ってる!!!





だけど一つだけ解ったことがあった。



それは、山崎くんに対してどうしようもなくドキドキしている自分がいること。



そしてその感情は決して嫌なものではないこと。




だから余計に苦しかったのかもしれない!




――どうしてキスしたの?!




その疑念はどんなに考えても答えを見出すことはできなかった…。









翌日――



朝、寝不足でふらふらな状態のまま学校に着く。



原因は昨日のキス事件。



一夜明けて少しは気持ちが落ち着いたけれど、やっぱり山崎くんが私にキスした理由がさっぱり分からなかった……。




あれは、嫌がらせとか何かなのかな…。




で、でも!


山崎くんって聞くところによると女の子にはモテるみたいだし、こんな“空気”と同じ扱いをされている私なんかにテを出すだろうか…?



それに当番じゃないのに日誌を手伝ってくれたわけだし、軽はずみな行動をとる人ではないよね、きっと…。


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