臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「それで小杉。これから朝飯を食べにいきたいんだが」

「今からですか? もう少ししたら夜が明けますけど、どこも店はまだ開いてませんでしょう?」

私もそう思います……。

社長も空を見上げて、それから指を振った。

「久しぶりに勝子さんの味噌汁と卵焼きが食べたいんだ」

「ああ。それでしたら今、作ってますよ。あいつも喜びます」

ん……? なんだろ。何かおかしな事を聞いたような気がする。

確か勝子さんて、記憶が間違っていなければ、社長のうちのお手伝いさんだった人のような……。

「西澤さんを連れていきたいんですよね? とにかくうちに連絡します」

そう言って小杉さんは、スマホを取り出してどこかに連絡を始めたから慌てた。

「え……ちょっと待ってください。私は……」

「いいから」

言いかけたら繋いだ手を強く引かれて、よろけた身体はまた社長の腕の中に受け止められる。

「お前は軽いなぁ」

「あ、ありがとうございます」

「誉めたわけじゃないんだが、今度は目が回らなかったみたいだな?」

「酔いも覚めてきているみたいなので、そうそう回らないかと……」

「ふうん?」

ふうん? ……と、思った瞬間に、手を離されて、いきなり縦抱きに持ち上げられた。

「え……。ちょ……っ! 社長!?」

「小杉、ドアを開けてくれ」

「坊っちゃん……それ犯罪な気がしますが」

「大丈夫だ。確保してから説得すればいい」

そういう問題じゃない!
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