臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「そうだね。今日は特に社長に用はなかったのですが」

言いながら、副社長は何か思いついたように目を輝かせる。

「ああ……そうそう、いい機会だから聞いておこうかな」

唐突に口調を変えた副社長に社長が視線を上げた。

「来週末の祖父さんの誕生日には出席するんだろうね?」


その言葉に社長が思いきり嫌そうな顔をする。


祖父さん……祖父さんって、ああ。会長。

今年で御年88歳。米寿のお祝いパーティーは会社主催ですることになっているから、秘書課も会場探しとか招待状とか、まだ奔走中のはずだよね。

でも、会長の事を“祖父さん”と呼んでいる副社長に目を丸くしていると、そんな私に気付いたのか社長が副社長を指さして目を細めた。

「あまり知られていないが、副社長は叔父だ」

「え。苗字違いますよね?」

社長は東野だし、副社長は飯村のはず?

「俺に叔母がいるんだよ」

ああ、前社長の妹さん……という事ですか。
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