臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「今は噂の出処の立場上少しだけ関係がややこしい面はありますが、これは業務なのでしょう?」

呟くと、社長の表情は感情が一瞬にしてなくなってしまったかのように無になる。

「私、これが終わったら婚活しようと思ってます」

「……もう? まだ26だろう?」

「子供は3人欲しいんです。私が3人兄弟の長女だからかもしれませんけど、賑やかな家庭がいいなって」

こんな事、本来なら社長に言わなくたっていいんだろうけど。
スラスラと言葉が出てくる。

「子供と元気に遊ぶ事を考えたら、若いうちの方がいいだろうし。それを逆算すると体力的にもあまり時間は無いんだなとか思って」

「年子だとまだ余裕だろ」

その言葉に呆れ返ってしまった。

「あのですね。子供一人育てるの、どれだけ体力勝負だと思ってるんですか。手伝ってくれる人がたくさんいるわけじゃないんですよ。それに、年子だと学費の時期に大変なんで……その辺は将来の旦那様と相談ですが」

皆が皆、社長みたいに高給取りってわけじゃないんだからね。

とりあえず国公立の学校選んだって、一般的には子供一人に1000万かかるとか雑誌で読んだし、それ考えたら下準備も必要だし。

うーん。と悩んでいたら、今度は社長が呆れたような顔をしていた。
< 219 / 255 >

この作品をシェア

pagetop