臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「……それで、えーと。監査室から何か?」

目の前にその監査室の飯村さんがいるから、それを聞くのはなんとも微妙なんだけど。

すると、飯村さんは眉を上げただけで、羽柴さんはパタパタと自分の顔の前で手を振る。

「ああ! いや。そっちじゃなくて個人的に頼まれていた方。今週の土曜日にどうかな?」

「今週の土曜日……?」

唐突にそんな事を言われて、眉を寄せた。

個人的に頼まれていた方……って。

「あ! お見合い!」

言ってしまってから、飯村さんのギョッとした顔と、羽柴さんの困ったような笑顔に顔を赤らめる。

いや。私は悪くない。
こんなところでそんな事を言い始めた羽柴さんが悪いんだもん!

「まぁ、とりあえずそう言うことだから。土日の予定は開けておいてね?」

「は、はい。ありがとうございます」

「じゃあ、僕は先に戻ってるから。後で釣書を渡すね」

生暖かく羽柴さんを見送ると、これまた生暖かく見下されていた。


……うう。居た堪れない。


「西澤さん、お見合いするの?」

飯村さんはそう言って、持っていた缶コーヒーのプルタブを開ける。

「はい。私もいい歳になりますから。結婚して、子供は3人は欲しいですし。育てる体力を考えたら、20代のうちに産みたいかなって思います」

「うわ。かなり具体的だね」

「全然具体的ではありませんよ。これは単なる夢なんですから」

夢見るのは自由でしょ。
< 235 / 255 >

この作品をシェア

pagetop