臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「断れ。俺からも羽柴に謝る」

難しい顔をしながら呟く社長に、私も釣書を見ながら難しい顔をする。

「や……でも、それはあまりにも無礼なんじゃないでしょうか?」

「付き合うつもりも無いのに、見合いをする方が無礼だろう」

それはそうなんだけど……。

「とりあえず、お会いしてからお断りするのも礼儀だと思いますから……」

言いながら、釣書を開いて瞬きをした。

見覚えのあるモノがそこにある。

普通なら、そこには写真があるはずだった。

よくあるお見合い写真。

晴れやかな見栄えのいい衣服に見を包み、プロの写真屋さんで撮るような、背景が殺風景な写真。

だけどそこにあったのは、我社の社内報の1頁だ。

会社概要と、資産状況、事業内容。

そして小さく印刷された、代表取締役社長の顔写真。

まさに目の前の彼の、真面目な写真。


「……えーと? どういう事でしょうか?」

「俺は知らん。何も聞いていない」

「ですよね。私もお相手の事は何も聞いていないんですが……」

お互いに困惑して顔を見合わせると、ほぼ同時に頷く。

「羽柴に聞いた方が早いだろう」

「そうですね。あまりにも意味が不明でわかりませんし」

ツカツカと執務室を横切ってドアの鍵を開けると、雪崩れて転がり込んできた人達にふたりで目を丸くした。
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