臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
驚いたまま硬直した私を、社長は見下ろして小さく笑った。

「こんな話をしても……お前は、逃げないんだな?」

びっくりして、身体が動かないだけなんだけど。

だって、まさかの闇具合。ううん。これって巷に聞くヤンデレってヤツなのかな?

普通、そんな人を見かけたら、警察に逃げ込むか、まわりの人に助けを求めに行くレベルなんだろうけど。

私の萌レベルも半端ないのかもしれない。

嬉しいとか、嬉しいとか、嬉しいとか!

私って本当に馬鹿じゃないの? アホじゃないの?

頭の中煮えてんの? 花畑なの? 湧いてんの?

一生懸命に全否定したけど、変わらない。

いつの間にか見てるだけじゃ飽きたらなくて、いつの間にか心の奥に住み着かれて。

逃げたいなんて思わない、けど。


「逃げたらどうします?」

微笑みながら言葉にすると……。

「俺なしじゃ、いられないようにするかな?」

ニヤリと笑う酷薄な笑みに、ちょっぴり後悔したけど。それは後の祭りかもしれない。


「そ、そうですか」

「駄目か?」

「人として駄目だと思います」

「うん。優等生らしい答えだな。それはそれで良いんだが……照れてるって事は、俺の申し出はイエスでいいんだな?」

気がつけば緩んでいた口元を、持っていた釣書で隠してから我に返った。

「……あ」

お見合い。明日じゃん。
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