臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
そして白い作業着姿の人がたくさん右往左往している食堂。

うわぁ、たくさんいるなぁ。

どこか感心していたら、音羽君は鼻で笑ったような気がする。

「工場の昼休憩の時間なんです。申し訳ありませんが、こちらでお待ちになっていらしゃれば良いかと思いますよ。僕は忙しいので失礼しますが」

……あらー。まるで私が暇みたいな言い方じゃない? まぁ、実際暇だけど。

険のある言葉だって、すぐにわかるような言い方するんだなぁ。

返事も待たずに背を向けて去って行った彼を見送ると、音羽君の名前を思い出した。


確か、この工場の事務関係の主任だ。

……だとすると、工場長である所長の補佐役のはず。

若く見えたけど、音羽君……ではなくて、音羽さんと私が呼ぶくらいの年齢だったと思ったな。

やっぱり、めちゃめちゃ馬鹿にされているみたいだな。

考えていたら、入口に突っ立ったままの私は相当目立っていたらしい。

目の前のテーブルに座っていたおばさまの一団に、遠慮なく見られていた。


「新入りかい?」

「あ……いえ。違うんですが」

「あの音羽さんが案内してきたってところからすると、一応本社の人? なんだってこんなところに案内されたんだい?」

遠慮容赦ない好奇心に晒されて、どうしようか迷う。
< 46 / 255 >

この作品をシェア

pagetop