臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「そう言えば最近鶏肉が入っているんじゃないかって言ってましたね」
「鶏肉?」
「ちょっと前からからレシピが変わったのか、冷食用のハンバーグ用のひき肉に鶏肉が入っているんじゃないかって」
社長の眉が顰められたけど、不思議に思いながらも言葉を続ける。
「確かめたことはないそうですけど、主婦やっている女性の目は誤魔化されませんよねー。彼女は牛肉と豚肉を合わせるラインにいるそうですが……」
言っているうちにみるみる社長の表情が不機嫌になっていき、最後には舌打ちまで返ってきたから言葉を止めた。
「小娘。その話は誰にも言うな。その女性の担当部署は判るか?」
「名札に着いている名前は見ましたから、人事に掛け合えばわかるかと……」
「……ったく。こんなの俺の仕事じゃねぇぞ」
ぶつぶつ文句を言い始めた社長を眺め、静かに窓の外を見た。
どうも私は、あの工場にとっては言ってはいけない噂話をしてしまったらしい。
……って、私はまだ“信用できるかどうかも判断付かない段階”らしいから、きっと聞いても答えてくれないだろうなぁ。
そんな事を考えながら会社に着くと、駐車場で出かけていたはずの副社長と鉢合わせした。
「おや? 社長、今日は社内に缶詰ではなかったですか?」
「副社長も今日は直帰ではなかったですか? でも、戻られたのならちょうどいい」
副社長の秘書である寺脇さんと目が合って、目礼しているうちにエレベーターが着て乗り込む。
エレベーターを降りてからの秘書課の……特に春日井さんの視線が痛かったけれど、なんとか耐えて通り過ぎた。
「鶏肉?」
「ちょっと前からからレシピが変わったのか、冷食用のハンバーグ用のひき肉に鶏肉が入っているんじゃないかって」
社長の眉が顰められたけど、不思議に思いながらも言葉を続ける。
「確かめたことはないそうですけど、主婦やっている女性の目は誤魔化されませんよねー。彼女は牛肉と豚肉を合わせるラインにいるそうですが……」
言っているうちにみるみる社長の表情が不機嫌になっていき、最後には舌打ちまで返ってきたから言葉を止めた。
「小娘。その話は誰にも言うな。その女性の担当部署は判るか?」
「名札に着いている名前は見ましたから、人事に掛け合えばわかるかと……」
「……ったく。こんなの俺の仕事じゃねぇぞ」
ぶつぶつ文句を言い始めた社長を眺め、静かに窓の外を見た。
どうも私は、あの工場にとっては言ってはいけない噂話をしてしまったらしい。
……って、私はまだ“信用できるかどうかも判断付かない段階”らしいから、きっと聞いても答えてくれないだろうなぁ。
そんな事を考えながら会社に着くと、駐車場で出かけていたはずの副社長と鉢合わせした。
「おや? 社長、今日は社内に缶詰ではなかったですか?」
「副社長も今日は直帰ではなかったですか? でも、戻られたのならちょうどいい」
副社長の秘書である寺脇さんと目が合って、目礼しているうちにエレベーターが着て乗り込む。
エレベーターを降りてからの秘書課の……特に春日井さんの視線が痛かったけれど、なんとか耐えて通り過ぎた。