臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「そんなこと言ってると、年寄みたいですから」

「失礼だな。俺はまだ34だぞ」

拗ねたように唇尖らせていたら、ガキんちょに見えますけどね。

そんな事をしていても、美形って崩れないからいいよなぁ~。

私がやったら、ただブーたれてるだけだし。

「社長って、いつも難しい顔か、不機嫌そうにされてるからですよ。使う言葉も偉そうだし」

「一応、偉いだろ? と言うか、偉そうにしてなけりゃならないだろ。ペコペコへらへらしてる社長に誰がついてくるんだよ」


まぁ、それはそうかもしれないけど。


「あー……素は違うんですか?」

何の気なしに呟くと、社長は真顔になって私を眺めた。

じっとしている様子は何かを考えるようでいて、どこか遠くを見ているようにも感じる。


……きっと、見ているのは私だけど“私”じゃない。


しばらくそうして、それからいきなりフッと笑った。

彼はまたゆっくりとコーヒーを飲んで、カップをローテーブルにコトリと置く。


「……俺は、まわりと会話らしい会話をしたことがないから、わからん」

「……は?」

今、わりとすごい言葉を聞いたような気がするんだけど、気のせいかな?

会話らしい会話をしたことがない?

それはどう言うことなんでしょ。
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