臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「お前は羞恥心はないのか!」

いきなり息を吹き返したように、不機嫌に叫ぶ社長の言葉にムッとする。

「何ですか、突然。あるに決まってるじゃないですか!」

「普通の女は、当然のように餌付けされるか馬鹿!」

え、餌付け……。

そう言われてみれば、当然みたいに社長の手から芋羊羮食べたかも……。


「すみませ……弟たちも普通にくれるもんですから、つい……」

真っ赤になった私に大きな溜め息をついて、社長は爪楊枝を手渡してくれた。

「そういえば、弟がいるのか?」

「はい。一人は就職してますが、もう一人は大学生で……」

「それは賑やかそうだなぁ」

「は、はあ……」

言いながら、状況のおかしさに首を傾げる。

はて。今は就業中のはずだけど、どうしてこんな“お茶会”状態に?

「サボりですか?」

「俺は昼食だろ?」

「では、私はサボりになりますから、行きますね。ご馳走さまです」

「俺が許す。一人では食いきれないだろーが」

不機嫌そうに言われて苦笑した。

なんだろうなぁ。

「社長は甘党なんですか?」

「いやぁ。そうでもない。甘いものに目がないのは女の方だろ?」

ススッと芋羊羮の箱を差し出されてニッコリ微笑む。

「ありがとうございます~」

ぐっさり爪楊枝で刺して、もぐもぐニコニコしていたら、社長は小さく微笑んでコーヒーを飲んだ。

「うん。そうしてれば年齢相応なんだがなぁ」
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