臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「ここまでとは……」

普通あり得なくない?

そこそこ大手とは言っても、単なる商社の普通の社長だよ?

国賓でもなんでもない。

それなのに、こんな見物されるって事は絶対にないと思う。


「まぁ、ここでパーティーするのは知っている人間なら知っているし、ロビーに今日のゲストがいないとは限らない。俺も久しぶりにこういう席に来るから……」

何でもないことのように言うけど、これが毎回だったら疲れる。

社長は見た目もいいから、理由はそれだけじゃないと思うけど。

でも、一人誰かが見れば、波状効果が起きてしまうってことか。

「気合入れて女優になります」

「その意気、その意気」

そして会場まで実に丁寧に案内されドアが開くなり、たくさんの人の視線が集まってきて……。

思わず社長のスーツにすがり付いた。

「大丈夫だから、美和」

場馴れしている人と一緒にしないで!

自慢じゃないけど、私は注目を浴びた記憶のない人なんだから!

すると何を思ったのか、社長は肩に手をかけると、ぐっと引き寄せる。

「しゃ……」

「隼人だ隼人」

めっちゃくちゃいい笑顔で耳打ちするから、私も笑顔で彼を見上げる。

「そこまでする必要……」

「ある」

断言するんじゃないよ!

思わず睨み付けそうになったら……。

「笑顔」

言われて、ニ~ッコリと微笑み返した。

ムカつく~っ!!
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