優しい大地とお兄ちゃん
「さくら!おはよう」
「おはよう」
大地は、約束の時間ちょうどに来てくれた。
嬉しそうな顔の大地を見ていると、少し胸がチクっと傷んだ。
学校までの道、大地と手を繋いで登校した。
周りの視線が気になったけど、大地が嬉しそうだったから、私はそのまま手を繋いでいた。
学校につくと、クラスの人たちが、私たちを見て驚いていた。
「俺たち、付き合うことになりました!」
そう言って大地は、繋いでいた手をみんなに見えるように、大きく上にあげた。
私は、いたたまれない気持ちでいっぱいだった。
大地とは、好きで付き合ってるんじゃない・・。
私は酷いことをしている・・。
罪悪感でいっぱいだった。
「さくら!本当なの?」
仲のいい友達が、私に手招きして聞いてきた。
「うん、本当だよ」
「そっか、さくら宮崎くんが好きだったんだ・・気づかなかったー・・・」
そう言って、千佳ちゃんは、自分のおでこを軽く叩いた。
その言葉に、胸が締め付けられた。
私は、必死で笑顔を取り繕った。
・・気づかなかったのも無理ないよ。
私、大地のこと好きじゃない・・。
私が好きなのは、お兄ちゃん・・。
「でも、おめでとう!」
「うん、ありがとう」
笑顔で言ったけど、心は苦しかった。
誰かに気づかれるんじゃないかと、手に汗握った。