失恋した直後のラインは甘い囁き
私達はタクシーで智也のマンションに帰って来た。


タクシーの中では沈黙だった。


ただ、智也は私の手を握っていた。



話はこうだった。


智也はニューヨークの医療センターに抜擢された。


行けば3年か5年は帰って来れない。


その代り、かなりのキャリアを積む事になるらしい。



智也は私に付いて来て欲しいと言った。


小さな小箱に入った指輪も渡された。


なのに・・私の心は重かった。



智也の気持ちは嬉しかった。


婚約して結婚して欲しいと言うのだ。


でも・・


ニューヨークに行ったらまた忙しい生活になると言う。


私は言葉も通じず見知らぬ土地で一人智也を待つ生活が待っているのだ。


正直言えば、今でも限界だった。


でもそれを紛らわす友達や学校などがあった。



タクシーはマンションに着いた。
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