飛行機雲







「…愛?…確認してもいい?」


巫女がいきなり静かになり、

窓の外を見たまま言った。



「ん?」


「…愛はまだ、神崎が好きなんだよね?」


突然の質問。


さすがにちょっと戸惑う。




でも


「うん。好きだよ」


はっきりとそう言える。



これが、気持ちと素直に向き合った結果。



素直に、純粋に、本当に、大好き。

全く濁りのない、

真っ白な、真っ直ぐな想い。




「…そっか…!良かったっ」

私の答えを聞いた巫女の表情が一気にゆるむ。



「私は、そうやって正直で真っ直ぐな愛が大好き」


巫女は、にこっと満面の笑みで微笑む。




だから私も、満面の笑みで返す。


…巫女は知ってる…?




私、巫女のおかげで、

今、こんなに純粋に、翼を好きって

言えるんだよ…?


私は、巫女のことも心から大好き。



また、今度私が壁にぶつかったら

巫女はきっと、支えてくれるから。

また甘えようと思うよ。


巫女には、素直に、自分の気持ちで。










< 56 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop