飛行機雲
「おはよー爽菊~と神谷~」
私と巫女が語り合っているところに、
これまた笑顔で、翼が割り込んできた。
ドキッと、胸が高鳴る。
さっきまで翼の話をしていたから。
それとも、ちょっと違う髪型のせい?
「おはよー!」
「おはよ、翼髪切った?」
すぐさま聞いてみる私。
席につこうとしていた翼は、私の方を向いて
目を丸くした。
「あー、昨日ちょーっとだけな。よくわかったな!」
そう言って、歯を見せて笑う。
そりゃあ、気づくよ。
好きな人だもん。
大好きで…大好きで……
でも…
届かない人…
「愛すごいね!観察力いいっ」
悲しいことを考えそうになってたけど
巫女の言葉で、現実に戻された。
届かないなんて、思っちゃだめだね。
負けないんだった。
頑張ろうって、そう決めたから。