飛行機雲







「あーっ…疲れたぁー」


そう言って、皆砂浜に敷いた、レジャーシートの上に座った。




「ちょっと私砂だらけだから、海水で砂取ってくるね」


そう言った私は立ち上がって

人気の無い岩場に向かった。




今日は、翼といっぱい話せた。



なんだか、自然と近づけた気がして

すっごく嬉しかった。




そんなことを思って、

ちゃぽちゃぽと手をゆすぐ。





「俺も来ちゃった」



ふいに後ろから声がして

振り返ると、翼が立っていた。



「翼も砂ついちゃったの?」

「さっき幸耶に押されて手ぇついちまった」


そう言って手を海水に浸しながら

笑顔を見せた。




「そ、そっか」


ふいの笑顔にドキッとして

翼から顔を背けた。









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