飛行機雲
今日は海に来て良かった。
翼に近づけて、本当に良かった。
翼をもっと、知れた気がする。
「!………爽菊、後ろ見て」
翼が突然私の肩を叩いて、
背後を指さした。
「わぁっ…!きれー…!!!」
夕陽が海に沈んでいく。
オレンジ色に染まった海面。
ふと、肩を掴まれた。
「えっ、…?」
振り返った時には、
私は翼に抱き寄せられていた。
「つば…さ?」
黙ったまま私の顔を胸に押さえつける。
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