君は夜になく



そもそも、わざわざ昼休みその約束を取り付けるためにうちのクラスまで来るって、どれだけ依存体質なの。


そう思ったら、なんか怒りが湧いてきた。

クラスではおもに男子がざわついていて、耳障りな音が余計に苛立ちを募らせる。


「帆乃香、今日は一緒に帰らない。」

「え?なんか用事あるの?」


それでも、帆乃香が残念そうにしていると、ついチクリと何かが刺さる感じがして、言葉が続かなかった。

そんな私を見たすみれちゃんが、帆乃香に言った。


「私たちと、カラオケに行く約束したの。」


帆乃香はあからさまに顔をしかめ、あたしのことを責めるようにじっと見てきた。

…別に、悪いことしてないし。


「今日くらい、真夜のこと貸してくれたっていいでしょう?」


「なにそれ。」


帆乃香の視線が、明らかにすみれちゃんに向けた敵意に染まる。

なんか、いけない気がする。
止めようと思ったけど、それより先に帆乃香がとんでもないことを言った。


「じゃあ、私も連れてって。
ねえ真夜、いいでしょ?
そしたらカラオケにも行けるし私とも帰れるよ。」


「は?」

すみれちゃんたちが絶句した。
けどあたしだっておんなじような気持ちだ。

なにそれ。
それ全部帆乃香の都合じゃん、受け入れられるわけないでしょ!


そう言いたいのに、言葉が出てこなかった。




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