お前しか見えてないから。*特別番外編*

せんべい作り体験を終えた後は、みんなでお昼を食べて、それから近くのお土産屋を色々まわることにした。



石段の続く道にはたくさんのお店が並んでいて、どこも可愛い雑貨やおいしそうな土産のお菓子が売っている。



その中でも一番大きな土産物屋にみんなで入ると、花鈴がまた楽しそうにはしゃぎ始めた。



「うっわー!キーホルダーとかいっぱい売ってる!

ねぇハル、なんかおそろいで買って一緒につけようよ!」



花鈴はハルくんの腕を引きながら、キーホルダーやストラップのコーナーへと連れて行く。



「これ可愛くない?

あ、これも色違いでいいかも!

あ、でもこれも縁結びとか書いてある!」



そんな花鈴たちを見てたら羨ましくなる。



いいなぁ……、私もナツくんとおそろいで、何か買ったりしたいな…って。



だけど、ナツくんはハルくんと違って、そこまでオープンに見せびらかすようなタイプじゃないから、おそろいのストラップとか絶対したくないだろうなぁ……。


学校で冷やかされたりするかもしれないし…。



そんなことをいろいろ考えたら、なんとなく言い出せなかった。


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