お前しか見えてないから。*特別番外編*

見えるところに付けるものじゃなくて、タオルとか、そういうのにしようかな?


ぐるぐると店内を回ってみる。



ナツくんはいつのまにか、この辺のマップや案内が貼ってある大きな掲示板の前で地図を見てる。



だから私は一人で密かに、ナツくんとおそろいで持てそうなお土産を探した。



でもそんなとき…



――チリン、



ふと腕が何かに当たって。



何かと思って見てみたら、そこには大きな鈴が付いたストラップがたくさん並んでいた。



『幸せの鈴ストラップ』


なんて書いてある。



“鈴”というのに反応してしまう私。



私と花鈴の名前には“鈴”という字がついてるし、特に私はそのまま“鈴菜”なんて名前だから、子供の頃から私は鈴が好きで、鈴を見るとなんとなく自分に通じるような気がして嬉しくなる。



だから思わずその鈴を手に取ってしまった。



よく見ると青いひもと、赤いひもの二種類がある。



付けていると幸せになれるなんて書いてあるけれど、本当かな…。



欲しいなぁ……。


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