私、今から詐欺師になります
 



 お昼休み。

 茅野は、玲と食事に出た。

 一階のインフォメーションを通るとき、玲が受付嬢に向かい頭を下げたので、茅野も下げる。

 その人は、玲だけではなく、自分にも、にこっと笑顔を向けてくれた。

 あ、もしかして、携帯預かってくれたの、この人なのかな、と思い、深々と頭を下げる。

 玲とはまた違う感じの、落ち着いた印象の美人だった。

 面倒見のいいおねえさま、という雰囲気か。

 玲は他の会社の女の子たちとも交流があるようで、いろんなランチの店を知っていた。

 今の茅野の気分に合うような、オープンカフェに連れていってくれる。

 料理も可愛らしい感じに盛りつけてあり、しばし、和む。

 涼やかな木の下で、アイスティーを飲んだあと、茅野は微笑んだ。

「はー、美味しかったです」

「そう? よかった」
と玲が笑う。

 こうして見ると、ほんと、大人の女って感じだなあ、とその姿を眺めた。
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