私、今から詐欺師になります
「これは結婚詐欺だ。
 茂野が命じた通りの。

 だから、このまま俺と居ろ」
と穂積は手を握ってくる。

 大きな手だ。
 同じような手だが、秀行とは、やはり違う。

 そのまま二人でぽつぽつとガス燈の灯りのともる海沿いの道を歩いていたが、穂積が言い出した。

「ちょっとうちに来るか?」

 えっ? と茅野は顔を上げる。




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