私、今から詐欺師になります
 一緒に横になるが、茅野の申しつけ通り、何処にも触れずに彼女を見つめる。

「俺は確かに勝手で我儘かもしれないが。
 お前のことは大事にしてるだろう? 茅野」

 お前にとっては、鬱陶しいだけの愛情かもしれないが。

 お前が結婚するまでは嫌だと言ったから、それまでは手も出さなかったし。

 まあ、随分式を早めてしまったが、それはこいつの自業自得だ、と思う。

『毎日、違う売り場で宝くじを買ってますっ』
という茅野の主張を思い出し、笑ってしまう。

 正直、違う頑張り方ならヤバイと思っていた。

『なんで、そんな茅野ちゃんのことを小莫迦にしたように言うんだよ』

『何故なのか、お前にはわかるんじゃないのか』

 一緒に働いてるんだろ? と玲を見下ろし、秀行は言った。

 こいつ、実は、仕事も出来るし、勘もいい。

 父親の人脈もあるしな。

 だが、そんなことは茅野には教えない。

 金なんか稼がなくてもいい。
 ずっと家に居てくれれば。
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