この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。





「そこの2人!何してるの!?」





突然、大きい声が私たちに降りかかった。






「うえっ!担任、大森~~」



聞こえないように、友達が私に耳打ちする。








「居ないと思ったら、何をトロトロ歩いてるの!?
早く教室に戻りなさい!」






「はーーーーい」




私たちは声を揃え、小走りに教室に戻った。









「柏木さん!」





びくっ



「はいい!」



後ろから呼び止められ、背筋が伸びた。








「これ!
図書室に生徒手帳落ちてたわよ」





「あっ!」








「まったく、入学式前に図書室で寝るなんて、そんな生徒初めてよ。
前代未聞だわ!」








「……スミマセーン」








「ヒサ行こ!」



友達がぐいっと、私の手を引いた。





「あんな言い方ないじゃんねー」


コソコソと、大森先生に聞こえないように話す。











「やっと全員揃ったわね。
では、これから今後の話をします。
しっかりメモとるように!」


教室に、大森先生の声が響いた。




< 22 / 328 >

この作品をシェア

pagetop